こんにちは。Yamapy☆です。
今回は東野圭吾さんの『手紙』のご紹介です。
こんな方におすすめです。
・小説を読んでみたいけど何を選べばよいかわからない方
・社会派のテーマに興味ある方
・泣ける作品を探している方
前回分もぜひご覧ください。
◆前置き
私の好きな東野圭吾さんの小説の中で、この作品は絶対に外せません!
小説を読んで涙を流したのは、この作品が初めてです。
◆あらすじ
両親を亡くした武島剛志(つよし)と直貴(なおき)は二人きりの兄弟だった。
弟を大学進学させるために剛志は必死に働くが、無理がたたり腰を痛め職を失ってしまう。
金に困った剛志は、裕福な老婦人宅の留守を狙い盗みを犯す。
しかし老婦人に見つかってしまい強盗殺人の罪を犯してしまう。
服役中の剛志から直貴のもとには獄中から月に一度、手紙が届く。
しかし、進学、恋愛、就職と直貴が幸せをつかもうとするたびに「強盗殺人犯の弟」という運命が立ちはだかる。
ある職場で疑いをかけられ、倉庫に異動させられた直貴のもとに現れた男性は「差別はね、当然なんだよ」と静かに言うのだった――。
年月が流れ、家族を持った直貴は、ついにある決意をする。
人の絆とは何か。
いつか罪は償えるのだろうか。
犯罪加害者の家族を真正面から描き、感動を呼んだ不朽の名作。
◆感想
これまで読んだ東野圭吾さんの小説の中でトップ3に入る大好きな本です。
この話は加害者の弟・直樹の視点から描かれた物語です。
直樹は犯罪者の兄を持つことで、周りからの差別や理不尽な目に何度も遭い、たくさんの夢を諦めてしまいます。
兄は自分のせいで犯行に及んだという負い目もありましたが、いつしかそれは憎しみに変わり、兄から届く毎月の手紙も返さなくなります。
そして自分には兄はいないと嘘をつくようにもなります。
兄弟の心のすれ違い、直樹の心情の変化が丁寧に描かれています。
また、直樹の周囲の心情として、できるだけ犯罪者と関係ある人とは関わりたくない。
何とかしてあげたいけど自分から手を差し伸べることはしないし、自分以外の誰かが助けてあげたらいい。
という人間の本音と建前の部分がリアルに描かれています。
差別を肯定する気はありませんが、自分の周りに直樹のような人がいたとして自分は抵抗無く付き合えるかと言われると自信がありません。
犯罪は被害者だけでなく、加害者家族の人生も狂わせてしまうことがよくわかりました。
◆おすすめポイント
とにかくラストの描写が堪らないです。
何度読んでも涙が出ます。
読む度にいろんな発見があり、捉え方も変わってくる作品です。
それだけ深く重いテーマです。
果たして直樹は兄を許すことができるのか。
犯罪者の家族を持つものは幸せにはなれないのか。
罪を償うとはどういうことなのか。
罪を許すとはどういうことなのか。
いろいろなことを考えさせられる作品です。
◆まとめ
おすすめ本、東野圭吾さんの『手紙』のご紹介でした。
映画やテレビで映像化もされており、直樹役を山田孝之さんや亀梨和也さんが演じています。
しかし設定が一部変わっていたりするので、個人的には小説が一番おすすめです。
とても素敵な作品なので、ぜひ読んでみてください。
東野圭吾さんの作品は他にもおすすめがあるので、またこれからもご紹介します。
最後までご覧頂きありがとうございました。
次回に続く☞【おすすめ本】『夜明けの街で』東野圭吾
Yamapy☆
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